この記事のポイント
- 耐水性の日焼け止めは、水や汗で崩れにくいように作られた膜を肌の上につくります。そのぶん、ふつうの日焼け止めより体を洗うときに落ちにくく感じられます。
- 石けんやボディソープだけでは、この耐水膜をうまく落としきれないことがあります。オイルやバームなど、油となじみやすいアイテムを選択肢に入れてみるのがおすすめです。
- 体はこすらず、ぬるま湯で肌をやわらかくしてから洗浄料をなじませると、摩擦を抑えて肌の負担を減らせます。
ウォータープルーフはなぜ落ちにくいの?
ウォータープルーフ(耐水性)の日焼け止めが落ちにくいのは、水や汗で流れ落ちないように設計された膜を、肌の表面につくっているからです。紫外線をカットする成分に加えて、水をはじく被膜形成成分が配合されていて、汗や水にさらされてもUVカット効果が保たれやすいよう工夫されています。プールや海、汗をかくスポーツシーンなど、「濡れても崩れてほしくない」場面を想定してつくられているぶん、洗い流すときにも同じくらいの粘り強さを発揮する、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
耐水性はどうやって測られているの?
この耐水性は感覚の話ではなく、水に浸したあとのSPF維持率を測る試験方法(ISO 16217など)で評価されている、れっきとした項目です。一定時間水に浸したあとに紫外線防止効果がどれだけ保たれているかを数値でチェックする試験なので、「なんとなく落ちにくい」ではなく、規格に基づいた性能として評価されているものだといえます。
「UV耐水性」表示にはどんな意味がある?
日本では、日本化粧品工業会が国際規格をもとにした耐水性の測定基準を整えていて、この基準をクリアした製品だけに「UV耐水性」の表示が認められています。つまり、耐水性をうたう製品は「水や汗では崩れにくい」ことを前提につくられているということ。だからこそ、洗い落とすときにもひと工夫が必要になります。パッケージに耐水性の表示がある日焼け止めを使った日は、いつもの入浴とは少し違う意識で洗浄に向き合うのがおすすめです。
言い換えると、耐水性は「日中はしっかり守ってくれる頼もしさ」と、「夜はいつもより丁寧に洗い流す必要がある」というセットの性質として捉えておくと、日々のケアに落とし込みやすくなります。
スーパーウォータープルーフとは?ウォータープルーフとの違い
ウォータープルーフのなかでも、より高い耐水性をうたうのがスーパーウォータープルーフです。一般に、ウォータープルーフが水に約40分ふれても紫外線をカットする働きを保つ目安とされるのに対し、スーパーウォータープルーフは約80分を目安に設計されているといわれます。日本では2022年から「UV耐水性★/★★」という表示が始まり、2024年12月以降は耐水性をうたう製品にこの表示が求められるようになりました(★が約40分、★★が約80分の試験に対応します)。つまり「スーパー」とつくものほど水や汗に強い設計で、そのぶん落とすときも、いつもより丁寧になじませて洗う意識が役立ちます。
ボディソープや石けんだけで落ちる?
結論からいうと、石けんやボディソープだけでは、耐水性の膜をうまく落としきれないことがあります。一般的な石けん・ボディソープは水となじみやすいつくりが中心です。一方で耐水性の膜は油となじみやすい性質を持っているので、水系の洗浄料だけでは狙いどおりに洗い流せないことがあるのです。「水となじみやすいもの同士」「油となじみやすいもの同士」の方がなじみやすいというイメージを持っておくと、洗浄料選びの考え方が整理しやすくなります。
研究データではどのくらい残っている?
参考になるデータもあります。顔の耐水性(ウォータープルーフ)日焼け止めを対象にした研究では、水だけで洗い流したあとには、日焼け止めが平均で約59%(59.3%)も肌に残っていました。起泡タイプの洗浄料を使っても約37%(36.8%)が残り、油となじみやすいオイル系クレンジングを使うと約6%(5.8%)まで下がったと報告されています。数字で見ると、「泡で洗えば十分」と思いがちですが、起泡タイプでも約4割近くが残る可能性がある、というのは覚えておきたいポイントです。
ボディにも同じ傾向はある?
これは顔を対象にした試験なので、ボディの皮膚とは条件が異なる点には注意が必要です。それでも、「耐水性が高い処方ほど、水系の洗浄だけでは落ちにくい」という傾向は、ボディにも参考になる知見だといえるでしょう。顔よりも面積が広く、洗い残しにも気づきにくいボディだからこそ、この傾向を知っておく価値があります。腕や脚のように普段あまり意識して観察しない部位ほど、「洗ったつもり」で終わっていないか、たまに立ち止まって確認してみるのもよいかもしれません。
落とし残しは肌にどう影響する?(一般論)
日焼け止めの塗り残し(洗い残し)があると、肌への負担感や乾燥、使用感の低下につながることがあるとされています。ただしこれは、はっきりした因果関係というよりも一般的な注意点です。個人差や使っている製品によって、感じ方は変わります。過度に心配しすぎる必要はありませんが、「毎日のことだからこそ、積み重ねを意識しておく」くらいの気持ちで向き合うとちょうどよいバランスかもしれません。
だからこそ、日焼け止めを使った日は、その日のうちに洗い流してリセットする習慣がおすすめです。「明日でいいや」と後回しにすると、汗や皮脂と混ざり合ってかえって洗いにくくなることもあるので、入浴のタイミングで一度リセットしておくと安心です。1日の終わりに肌をまっさらな状態に戻すことを、スキンケアの区切りとして習慣づけておくと続けやすくなります。
どんな部位が特に残りやすい?
膝の裏やくるぶし、首まわり、耳の後ろなどは、重ね塗りしやすい部位や汗をかきやすい部位です。塗るときに厚めに重ねて塗布しがちな場所であるぶん、洗うときも一度でさっと済ませず、意識して丁寧に洗うとよいでしょう。また、髪の生え際や襟足まわりは、シャンプーの泡や流水だけで済ませてしまいがちな部位でもあります。ボディを洗うタイミングで、こうした部位にも洗浄料をきちんとなじませておくと、洗い残しに気づきやすくなります。
腕や脚は面積が広いぶん、つい手早く済ませてしまいがちですが、日焼け止めを塗るときに重ね塗りした場所を思い出しながら洗うと、洗い残しに気づきやすくなります。「塗った場所は、意識して洗う」というシンプルな対応関係を覚えておくだけでも、日々の洗い方は変わってくるはずです。
ボディはどう落とすのが良い?(こすらない・剤型の考え方)
答えはシンプルで、強くこすらずに洗浄料を肌へなじませることが基本です。摩擦を繰り返すと肌表面への負担につながりやすいとされているので、ゴシゴシ力を入れるのではなく、手のひらや柔らかい素材でやさしく円を描くように洗ってあげましょう。ボディタオルやスポンジを使う場合も、力を入れすぎず、泡や洗浄料をクッションにして滑らせるようなイメージを持つと摩擦を抑えやすくなります。
剤型は、油となじみやすいオイルやバーム、クリームタイプの洗浄料を先になじませて、水や汗となじみやすい石けん・ボディソープタイプを後から使う、いわゆる二段階洗浄がおすすめです。湯温はぬるめにして、蒸しタオルなどで肌を温めてから洗浄料をなじませると、こすらなくても汚れとなじみやすくなります。
二段階洗浄の流れをイメージしてみる
特別な手順というより、いつもの入浴に一手間加えるくらいの感覚で十分です。まず湯船やシャワーで肌を軽く濡らして温め、オイルやバームタイプの洗浄料を乾いた手のひらに広げて、耐水性の日焼け止めを使った部位を中心になじませます。こすらず、肌の上をすべらせるように広げるだけで十分です。なじませ終えたら、ぬるま湯で軽く洗い流し、そのあとに石けんやボディソープタイプの洗浄料でいつも通り全身を洗うと、油分の残り感も気になりにくくなります。毎日この手順を踏む必要はなく、耐水性の高い日焼け止めを長時間使った日だけ取り入れる、という考え方でも構いません。海やプールで丸一日過ごした日、屋外でのスポーツで大量に汗をかいた日などが、二段階洗浄を意識したい代表的な場面です。
毎日する必要はある?(タイプ別に比較)
毎日は必要ありません。室内で過ごすことが多く、日焼け止めも軽めに塗った日であれば、いつも通りの洗い方で十分なこともあります。「その日どれくらい耐水性を発揮させたか」を目安に、洗い方を切り替える習慣をつけておくと、無理なく続けやすくなるでしょう。
| 洗浄方法 | 特徴 | 向いている場面の目安 |
|---|---|---|
| お湯・水のみ | 手軽だけど、耐水性の膜には単独ではあまり効きにくいとされる | 汗を軽く流す程度の日常のケア |
| ボディソープ・石けん単体 | 水となじみやすいつくりが中心 | 耐水性の低い日焼け止めの日、または二段階洗浄の仕上げ |
| オイル・バーム系クレンジング | 油となじみやすく、耐水性の膜にもなじみやすいとされる | 耐水性の高い日焼け止めを長時間使用した日 |
まとめ
- 耐水性(ウォータープルーフ)の日焼け止めは、水や汗で崩れにくい膜をつくる設計のため、ふつうの日焼け止めより落ちにくいとされる
- 石けん・ボディソープだけでは、この膜をうまく落としきれない場合がある
- 油となじみやすいオイルやバーム系の洗浄料を取り入れる二段階洗浄がおすすめの考え方
- 体はこすらず、ぬるま湯で肌を温めてから洗浄料をなじませると、摩擦を抑えられる
- 汗をかきやすい部位や重ね塗りした部位は、意識して洗うのがよい
監修・確認
ORIA Journal 編集部 編集部
ORIA Journalは、紫外線とスキンケアに関する誠実で分かりやすい情報を届ける編集部です。記事は編集部が作成し、薬機法・景品表示法の観点から表現上のリスクを確認したうえで公開しています。
よくある質問
ウォータープルーフとUV耐水性は同じ意味ですか?
どちらも水や汗に強いことを表す言葉ですが、少し違いがあります。日本国内では、日本化粧品工業会が定めた試験基準をクリアした製品だけに「UV耐水性」の表示が認められています。表示の有無や星の数は、買うときに耐水性の目安を確かめる手がかりになりますよ。
ボディの日焼け止めは毎日しっかり落とす必要がありますか?
使った日は、その日のうちに洗い流してリセットする習慣をつけるのがおすすめです。特に汗をかきやすい部位や重ね塗りした部位は、意識して洗うとよいでしょう。
こすって洗った方が早く落ちますか?
強くこすると、肌表面への負担につながりやすいとされています。こすって落とすよりも、洗浄料を肌になじませて、やさしく洗う方法を選んであげてください。
オイル系の洗浄料は肌に合うか不安です。どうすればよいですか?
肌質や体質には個人差があります。初めて使う製品は、目立たない部位で試すなど、様子を見ながら取り入れましょう。使用感が気になるときは使用を中止し、専門家に相談するのも一つの方法です。
参考文献
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf
- ISO 16217:2020 Cosmetics — Sun protection test methods — Water immersion procedure for determining water resistance https://www.iso.org/standard/61437.html
- 日本化粧品工業会「紫外線防止効果に対する耐水性測定法基準」https://www.jcia.org/user/business/guideline/taisui
- 日本化粧品工業会「UV耐水性の表示に関するQ&A」https://www.jcia.org/user/public/uv/faq
- Chen W, He M, Xie L, Li L. "The optimal cleansing method for the removal of sunscreen: Water, cleanser or cleansing oil?" J Cosmet Dermatol. 2020;19(1):180-184. PMID: 31157512 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31157512/
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。肌の状態やトラブルにお悩みの場合は、皮膚科などの専門医にご相談ください。