目の紫外線とサングラスの選び方|色ではなくUV400で選ぶ

日やけ対策は肌だけでなく目にも必要です。じつは色の濃いサングラスほど紫外線を防げるわけではなく、UVカット加工がなければ瞳孔が開いて逆効果になることも。UV400などの表示や、レンズの大きさ・帽子との併用まで、データをもとに目を守る選び方を分かりやすく解説します。

目の紫外線とサングラスの選び方|色ではなくUV400で選ぶ

この記事のポイント

  • レンズの色の濃さと紫外線カットの力は別の性能で、色では選べません。
  • UVカット加工のない濃い色は瞳孔が開き、かえって紫外線を取り込みやすくなります。
  • UV400や紫外線透過率1.0%以下といった数値表示と、レンズの大きさ・帽子との併用で選びます。

日やけ対策というと肌にばかり気が向きがちですが、じつは目からも紫外線は入ってきます。そして「サングラスは色が濃いほど紫外線を防げる」と思っていませんか。ところが、レンズの色の濃さと紫外線をカットする力は、まったく別の性能です。この記事では、目に届く紫外線の仕組みと、表示の正しい見方、そして色ではなく数値で選ぶサングラスの選び方を、データをもとに分かりやすくお伝えします。

目から入る紫外線は、肌とは分けて考えるべきなの?

はい。目には日やけ止めを塗れないぶん、サングラスや帽子で物理的に光をさえぎることが対策の中心になります。紫外線は波長によって分けられ、地表に届くのはおもにUVA(315〜400nm)とUVB(280〜315nm)です。このうち多くは角膜や水晶体で吸収されるとされ、肌とはまた別のかたちで負担がかかります。 見落とされがちなのが、地面や水面からの照り返しです。環境省の資料によると、紫外線の反射率は新雪でおよそ80%、砂浜で10〜25%、水面で10〜20%ほどとされ、アスファルトでも約10%が跳ね返るとされています。つまり日ざしは上からだけでなく、こうして下や横からも目に届くわけです。だからこそ、顔の正面をおおう帽子のつばだけでは足りず、目そのものを覆う対策が要になります。 短時間に強い紫外線を浴びると角膜の炎症(いわゆる雪目)が起きることが知られ、長い年月での紫外線の蓄積が翼状片や白内障といった目のトラブルと関連するという研究報告もあります。ここで大切なのは、こうした変化を「治す」話ではなく、日ごろから浴びる量を減らすという予防の視点です。


なぜ「濃い色のサングラス」だけでは目を守れないの?

レンズの色はまぶしさ(目に見える光)を抑えるためのもので、紫外線カットとは別の働きだからです。目の瞳孔(ひとみ)は、まわりが明るいと小さく縮み、暗いと大きく開いて、入る光の量を自動で調整しています。明るい所ではおよそ2〜4mm、暗い所では4〜8mmほどまで広がるとされ、面積で見れば数倍もの差になります。 ここに落とし穴があります。色が濃いだけで紫外線カットの加工がないレンズをかけると、視界が暗くなって瞳孔が大きく開いてしまいます。すると、加工のないレンズでは開いた瞳孔から、かえって多くの紫外線が入り込むおそれがあるのです。つまり、「色が濃い=紫外線に強い」ではありません。むしろ裸眼のときより不利になりかねない、という点が最も見落とされがちなポイントです。だからこそ、選ぶ基準は色の濃さではなく、紫外線をどれだけカットするか(UVカット率)の表示に置くべきなのです。


「UV400」って何を意味するの?表示はどう見ればいい?

UV400は、波長400nmまでの紫外線をほぼカットすることを示す目安で、色ではなく数値でレンズを選ぶための手がかりになります。地表に届く紫外線はおおむね400nm以下の波長なので、そこまでをカバーできれば紫外線の大部分に対応できる、という考え方です。 店頭やパッケージでは、「UV400」のほかに「紫外線透過率1.0%以下」「紫外線カット率99%以上」といった表記も見かけます。これらはいずれも色の濃さとは無関係で、透明に近いレンズでも加工があれば紫外線をしっかりカットできます。逆に、こうした表示のない濃い色のレンズは避けるのが無難です。下の表で、タイプごとの違いを整理します。

レンズのタイプまぶしさの軽減紫外線カット選ぶときの注意
濃い色・UVカット表示なし高い期待しにくい瞳孔が開き逆効果になりうる。避ける
薄い色・UV400表示あり中くらい高い数値表示を必ず確認
ほぼ透明・UVカット加工あり低い高い色に頼らず表示で判断
偏光レンズ(UVカット表示あり)高い(反射光に強い)高い偏光とUVカットは別性能。両方を確認

このように、まぶしさ対策と紫外線対策は別々の性能です。運転や雪山、海辺のようにまぶしさが強い場面では色の濃いレンズが役立ちますが、その場合も必ずUVカットの表示があるものを選びましょう。なお、レンズの加工は傷や経年で弱まることもあるため、傷が増えたレンズや数年使ったものは見直しの目安になります。


サングラスはどう選べばいい?大きさやすき間も関係あるの?

はい。「UVカット率の表示」「レンズの大きさ」「顔とのすき間」「帽子との併用」の4点で考えると、目に届く紫外線をぐっと減らしやすくなります。 1つ目は表示です。前述のとおりUV400や紫外線透過率1.0%以下を目安にします。2つ目は大きさと形。紫外線は正面だけでなく横や下からも回り込んで入ってくるため、レンズが大きめで、顔の輪郭に沿うカーブのあるもの(ラップ形状)だと、すき間からの入り込みを抑えやすくなります。フレームと顔のあいだにすき間が多いほど、そこから紫外線が届きやすい点は見落とされがちです。逆に、レンズが小さく顔から離れた形だと、上・横・下のすき間から回り込んだ光が目に届いてしまいます。 3つ目は併用です。環境省の資料では、UVカット機能のあるサングラスを適切に使うと目への紫外線を最大で9割ほど減らせるとされ、これは帽子だけの場合の4倍以上の効果と紹介されています。つばの広い帽子を合わせれば顔まわりの紫外線をさらに減らせるので、サングラスと帽子の合わせ技が現実的です。加えて、紫外線が強いのは真夏の日中だけではありません。研究では、太陽の位置が低い朝や夕方に、横から差し込む光でかえって目への紫外線が増える場合があると報告されています。通勤・通学や夕方の外出でも、油断せず目を守りたいところです。 なお、目の充血や痛み、見えにくさなどが続くときは、自己判断せず眼科で相談するのが安心です。サングラスはあくまで日常の紫外線量を減らすための道具であり、症状そのものへの対処とは切り分けて考えましょう。


研究・参考情報

環境省の紫外線に関する資料では、UVカット機能のあるサングラスやメガネを適切に使うことで、目への紫外線の曝露を最大90%程度まで減らせるとされ、帽子のみよりも高い効果が示されています。同じ資料では、紫外線の反射率が新雪で約80%に達するなど、路面や水面からの照り返しの大きさも示されています。海外のレビュー研究(Yamら, 2014)では、紫外線への曝露が翼状片・紫外線角膜炎・皮質白内障などと関連しうると整理されています。さらに、目への紫外線量を評価した研究(Marroら, 2022)では、太陽の位置が低い時間帯に横から入る光で目への負担が増える場合があると報告されています。真昼だけでなく、朝夕の斜めの光にも注意したいところです。


まとめ

  • 目からも紫外線は入り、地面や水面からの照り返しも届くため、肌とは別にサングラスや帽子でさえぎることが対策の中心です。
  • 色の濃さと紫外線カットは別物。加工のない濃い色は瞳孔が開き、かえって不利になりえます。
  • 選ぶ基準は色ではなく、UV400・紫外線透過率1.0%以下などの数値表示です。
  • レンズの大きさ・顔とのすき間・帽子との併用まで意識すると、目に届く紫外線を減らしやすくなります。
  • 目の不調が続くときは眼科で相談を。サングラスは日常の紫外線量を減らす道具と考えましょう。

監修・確認

ORIA Journal 編集部 編集部

ORIA Journalは、紫外線とスキンケアに関する誠実で分かりやすい情報を届ける編集部です。記事は編集部が作成し、薬機法・景品表示法の観点から表現上のリスクを確認したうえで公開しています。

よくある質問

濃い色のサングラスは紫外線対策になりますか?

色の濃さと紫外線カットは別の性能です。UVカットの加工や表示(UV400など)がなければ、色が濃くても紫外線は防げません。むしろ視界が暗くなって瞳孔が開き、かえって多くの紫外線が入るおそれがあります。色ではなく表示で選びましょう。

透明なレンズでも紫外線をカットできますか?

はい。紫外線カットの加工があれば、ほぼ透明なレンズでも紫外線の大部分をカットできるとされます。レンズの色の濃さは紫外線カットの目安にはなりません。

UV400とはどういう意味ですか?

波長400nmまでの紫外線をほぼカットすることを示す目安です。地表に届く紫外線はおおむね400nm以下なので、その範囲をカバーできるという考え方で、色ではなく数値で選ぶ手がかりになります。

サングラスと帽子はどちらがよいですか?

両方の併用がおすすめです。環境省の資料では、UVカット機能のあるサングラスの適切な使用で目への紫外線を最大9割ほど減らせるとされ、つばの広い帽子と合わせると顔まわりの紫外線もさらに減らせます。

サングラス選びで色以外に見るべき点は?

レンズの大きさと形、そして顔とのすき間です。紫外線は横や下からも回り込むため、大きめで顔の輪郭に沿う形のものだと、すき間からの入り込みを抑えやすくなります。

参考文献

  • 環境省. 「紫外線環境保健マニュアル2020(2020年3月改訂版)」. 環境省, 2020. URL: https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf
  • Yam JCS, Kwok AKH. "Ultraviolet light and ocular diseases." Int Ophthalmol. 2014;34(2):383-400. PMID: 23722672. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23722672/
  • Marro M, Moccozet L, Vernez D. "Assessing Human Eye Exposure to UV Light: A Narrative Review." Front Public Health. 2022;10:900979. PMID: 35875046. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35875046/

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。肌の状態やトラブルにお悩みの場合は、皮膚科などの専門医にご相談ください。

SUPERVISED BY ORIA Journal 編集部

本記事は公開されている学術情報をもとに編集部が作成し、専門知見をもとに内容を確認しています。診断・治療に代わるものではありません。

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